かっこいい?かわいい?「DEATH NOTE(デスノート)」Lの性格を考察
この記事はDEATH NOTEのネタバレありの考察記事です!
今回はDEATH NOTEのメインキャラクターである、Lの性格について考察していきます。
キラについての人物像を「自分と同じく、幼稚で負けず嫌い」と語るL。
確かに、キラである夜神月(やがみライト)は、作中でも負けず嫌いな一面がよく見られます。
しかし、キャラクターの内面まで描写される漫画においても、Lが負けず嫌いだとはっきり分かる描写は多くありません。
この記事では、原作の漫画を中心に、Lの性格がよく表れている場面を解説していきます。
DEATH NOTEのLとはどんな人物?
まず、Lの素性について軽く触れておきます。
「世界の切り札」と称される凄腕の探偵
世界最高峰の天才であるL。
各国の捜査機関が匙を投げる難事件を次々と解決してきた経歴を持ち、捜査機関の国際組織であるICPOの会議にも出席できる人間です。
各国の捜査機関から頼りにされる一方で、「自分が興味を持った事件しか捜査しない人物」とも言われており、お偉いさんからはワガママな人間とも見られているようです。
キラ事件以前には、多くの国際的な難事件を解決してきたLですが、だれもLの正体を知ることはありませんでした。
甘いもの好きの青年
キラ事件で初めて「L」として、夜神総一郎などの捜査員の前に姿を現します。
数えきれない事件を解決してきたLの正体は、変わった座り方をしながら甘いものばかりを食べる青年でした。
あまりにも予想外な姿に、最初は面食らう捜査員たち。
しかし、キラ事件に関するLの推理を聞くことで、彼こそが「世界的名探偵のL」であると確信することになります。
ここから、Lと日本捜査本部による本格的なキラ事件捜査が始まっていくことになります。
Lの負けず嫌い場面集
原作の漫画を中心に考察していきますが、所々でアニメの描写についても触れています。
原作は、とぼけた表情で感情を出さないようにしているLの描写が多いです。
一方アニメの方は、セリフをよく聞いていると、Lの感情が透けてみえるのが良いですね。
声優の山口勝平さんの演技が素晴らしすぎます。
1,夜神月を煽りまくる
月と対峙している時のLは、たいていの場合、月を挑発してキラとしてのボロを出させようとしています。
最もそれが表れているのが、page.21のカフェで2人が対峙している場面でしょう。
①夜神月の推理力を試す
②夜神月が「模範解答」を答える
③「ハズレです」と言って月の推理を全否定
キラがLに向けて書いたメッセージについて推理してみろ、と月に促すL。
3枚のメッセージカードについて、月が推理すると、「ハズレです。実はもう1枚カードがあるんです。」と言って、4枚目のカードを見せる場面です。
初めに3枚のカードを渡したのはLなのに、後から4枚目を出しておいて、言うセリフがこれです。
「夜神くんは3枚しかないと決めつけ、4枚目を推理できなかった。これも事実です。」
DEATH NOTEより引用
4枚目のカードの存在は、事実どころかLの真っ赤なウソです。
しかし、キラ(月)が「嘘つけ!」と言い返せないのを良いことに、言いたい放題ですね。
月ほど負けず嫌いでなくとも、イラっとくる場面だ…。
自分がキラだったら、この罠にあっさり引っかかりそう…。
2,夜神月を監禁する前のLのセリフ
「何か、私には話の展開が気に入りませんが…いいでしょう…」
DEATH NOTEより引用
夜神月の容疑を固め、「もうすぐ逮捕だ!」というときに、なぜか月の方から監禁を望んでくる。
page.34のこの時点では、Lにとって、月への疑いは「ほぼ黒に近いグレー」。
盤面はすでにLが王手をかける直前で、月が大ピンチであるにもかかわらず、月はLの一手を促すような行動をとってきます。
アニメでは、月の意図が読めないLがイラついているのがよく分かる名シーンになっていますね。
上記のセリフを要約すると、
「お前が何か仕掛けてくると分かった上で、あえて策に乗ってやるんだよ!」
という意味になります。
たしかに、「自ら監禁されに行く」という行動は、月にとっては攻めの一手でした。
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3,Lビル内で捜査員と別行動
「人命を第一に行動するべきだ!」という夜神総一郎と「捜査で有効なら手段は選ばない」というL。
たびたび意見を衝突させますが、page.45ではLがとうとう我慢できなくなり、総一郎たちとは別行動に出ます。
実質的には、「総一郎たちをLビル内で干す」という行動であり、気に入らない部下から仕事を取り上げる上司の図です。
しかも、「Lビルから追い出す」という選択ではなく、「Lビル内で機材だけは使用可にする」という行動をとるあたりが、Lの性格の悪さを表しています。
豪華な設備だけあっても、すでに警察でなくなっている総一郎たちでは何もできないことを、彼ら自身に認識させる手口です。
非常に子供っぽいですね。
(誤解のないように書いておきますが、Lは好きなキャラクターの一人です。)
この点は、総一郎も意地を通しているので、お互い様という部分もありますが。
親子だからなのか、総一郎と月は似てるよね。
4,年上の子供たちを返り討ちにする
こちらは本編にはない、短編集からの引用です。
孤児院に初めてやってきた子供Lに対し、年上の子供たちがちょっかいを出そうとして、返り討ちにあうシーンがあります。
ノックアウトされたいじめっ子とLを発見したワタリさんに向かって、Lが言ったセリフがこちら。
「私が正義です」
DEATH NOTEより引用
微塵も自分に非があるとは思っていないクソガキのセリフです。
(繰り返しますが、Lは好きなキャラクターです。)
(番外編)ポテチを見せつけるように食べる
こちらは2006年の映画でのワンシーン。
キラ容疑者の夜神月の家に大量の監視カメラを設置して、月の動向を観察したL。
ところが月はLの策を見破って、監視された中でもキラとしての裁きを実行していきます。
監視カメラがある中で、月がトリックに使用したのがポテトチップス。
その後、大学で月と顔を合わせるときに、Lは見せびらかすように月の前でポテチを食べています。
「お前の策は見破っているぞ」
という、Lのキラに対するアピールです。
Lも自分の頭脳に自信を持っており、月より知力が上であることをアピールしたいという「子供っぽい負けず嫌いさ」が表れていますね。
映画では一瞬のシーンですが、L(松山ケンイチさん)と月(藤原竜也さん)の表情が秀逸です。
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まとめ:かっこいいLの子供っぽくてかわいい一面
・「幼稚で負けず嫌い」と分析している相手に向かって煽りたおす
・「自分の行動は間違っていない」と大人にアピール
・一見すると分かりにくいパワハラ
以上、Lの幼稚で負けず嫌いな一面をピックアップしました。
各国のトップの人間と話したり、捜査本部の指揮をとるなど、並の人間にはできないことを次々とやってのけるL。
そんなかっこいい一面がある一方で、今回解説したような、子供っぽい一面も併せ持っているのがLの魅力ですね。
DEATH NOTEはセリフと画が素晴らしく、1コマからキャラクターの内面や感情も読み取れるように作られています。
今回ピックアップしたL以外のキャラクターの内面も、とても丁寧に描写されています。
すでにDEATH NOTEを読んだことがある人も、もう一度読んでみると、新しい発見があるかもしれません。
このブログでは、漫画やゲームの感想や考察を書いています。