「ダンガンロンパV3」王馬小吉ネタバレの考察
今回は、アクション推理ゲーム「ダンガンロンパV3」のキャラクター「王馬小吉」を考察していきます。
- ダンガンロンパシリーズは「CERO:D(17歳以上)」向けゲームです
- 本記事はダンガンロンパシリーズのネタバレを含みます
ダンガンロンパV3をこれからプレイしようとしている人は、こちらのゲーム紹介記事から読んでください。
また、この記事は前回の「ニューダンガンロンパV3のラストはひどい?エンディング後の謎を考察」の続きとなっています。
V3世界全体の謎や未回収の伏線については、こちらにまとめてあります。
それでは、ネタバレOKの人のみ、チラシの裏を見る感じで続きをどうぞ。
ダンガンロンパチーム最新作推理アクションゲーム
王馬小吉の人物像
謎めいた言動をする王馬の考察をする前に、彼の人物像について考えていきます。
6章までストーリーを進めると、王馬小吉は以下のような人物であることが分かりました。
- 頭の回転が速く、嘘を織り交ぜながら会話する癖がある
- 仲間想いで、コロ〇アイゲームの終了を目指して孤軍奮闘する
→首謀者特定やゲームの崩壊を目的とする - 「悪の総統」を自称するが、倫理感や道徳心は人一倍強い
→「DICE」のモットーは「人を〇さない、笑える犯罪」 - 百田曰く「ピュアなところがある」
→王馬の研究室は子供らしい雰囲気
2章では王馬本人の動機ビデオが配られていましたが、クロにはなりませんでした。
本人の性格もありますが、1章での赤松の行動に影響されていたと推測しています。
オシオキ直前に、赤松本人に対し、「つまらなくなかったよ」というようなことを言っています。
5章では、百田に対し、「俺ってつまらなくなかっただろ?」といったセリフを言っているので、「つまらなくない(おもしろい)人」というのは王馬にとって誉め言葉になるのだと思います。
王馬小吉の目的
王馬は1章の事件があった後、赤松の意志を受け継いで
- 首謀者の特定
- コロ〇アイゲームの終了
を目的に行動します。
目的①:ゲームの終了
V3本編では、モノクマを操っている黒幕や、自分たちを閉じ込める「才囚学園」について調査しています。
獄原の「一瞬だけ虫が見えた」という言葉を受け、入間に虫を集める機械の制作を依頼しています。
入間に頼んでいた発明品は他にもあり、全部で4つです。
- エレクトハンマー
- エレクトボム
- エグイサルを操るリモコン
- 吸い込み式虫取り機
だいぶ多い…
しかも、王馬はエレクトボムとエレクトハンマーの使用方法について熟知していましたね。
これらの発明品は、入間から奪い取ったわけではなく、正当な手順で引き渡されたと考えています。
となると、4章事件において不可解な謎が出てくるのですが…。
後ほど詳しく書いていきます。
目的②:首謀者の特定
王馬は、才囚学園の謎の解明と同時に、自分たちの中に紛れ込んでいると思われる「首謀者」の特定にも奔走します。
- 嘘をついて周囲の反応をうかがう
- 自らを「首謀者」と騙り、本当の首謀者にゆさぶりをかける
- 首謀者候補の人物に対し、積極的に話しかけに行く
本編では謎めいた行動が目立つ王馬ですが、その理由が6章で明らかになりました。
捜査パートの際に王馬の個室に行くと、ホワイトボードを見つけることができます。
王馬はホワイトボードに怪しい人物について書き出しており、最原を首謀者の有力候補だと考えていました。
そのため、特に最原に対して積極的に話しかけに行き、嘘を交えて会話することで
最原が首謀者としてのボロを出さないか
を見ていたのだと推測しています。
特にその行動が目立ったのは4章から5章にかけてで、4章では百田と最原を分断させて、最原を重点的にマークしています。
なぜ最原をマークしていたのか?
プレイヤー視点では、最原の行動や内心が筒抜けなので、「首謀者=最原」という発想は、なかなか出てきません。
しかし、王馬視点ではどうでしょう?
最原の怪しい行動を挙げていきます。
- 1章事件前に赤松と行動を共にする
→赤松はその後クロになる - 学級裁判で嘘を交えて発言する
- リーダー気質の百田とよく行動を共にする
→集団に対し目立たず影響を与えられる
他の登場人物視点では、最原の行動もかなり怪しく思えますね。
しかも王馬は、「他人の嘘にも敏感」だと発言しています。
一方、最原はたまに嘘を使って学級裁判の流れを操作していますね。
王馬の視点では、最原が警戒対象になるのは不自然なことではないと考えています。
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各章での王馬小吉の目的
ここからは、各章での王馬の行動と目的を追っていきます。
4章と5章を重点的に書いていますが、他の章でも気になることがあれば補足していきます。
第4章:首謀者候補への揺さぶり
4章は、王馬にとって予想外のことがいくつか起きた章になります。
4章の流れは以下の通りです。
- 動機の「カード」を奪い取り、1人だけ先に「外の世界」を確認する
- ショックを受けるも、動機は他の生徒に開示せず
- 入間が自分を狙っていることを察する
- モノクマに「コロ〇アイゲームが盛り上がる方法」を提案
- 新世界プログラムへ入る
- 獄原をボディーガードにして、獄原に動機を開示
→獄原は生きる希望を失ってしまう - 入間と待ち合わせ
- 獄原が入間を返り討ちにする
- 入間の事件が発覚
- 捜査パートでは最原をマーク
- 学級裁判開始
「動機」である外の世界の光景は、「人類も世界も滅びた地球」。
後に全くの作り物だということが分かりますが、この時点ではまだ「真実」です。
王馬は大きなショックを受けますが、皆には伏せて、コロ〇アイゲームの終了を目的に行動します。
4章事件の裏側、その1
最原視点では謎が残る4章。
王馬視点ではどんな流れだったのかを推測していきます。
4章冒頭では、
- 入間からの殺意をかわす
- コロ〇アイゲームの終了
という2つの難関があります。
入間は「外に出たい」という目的のためにクロになることを決意。
これに対して王馬は、思い出しライトで「外の滅びた世界の景色を見せる」ことで、入間の外の世界への渇望を止めることにしたのだと考えています。
しかしここで1つ目の誤算が起こりました。
入間はクロになることを諦めますが、同時に生きる希望も失ってしまったのです。
「こんな世界で生きるくらいなら、しんだ方がマシ」
そう考えたのは、獄原だけでなく、入間もだった可能性があります。
コラム:入間の行動の不自然さ
「入間は、獄原を利用した王馬によって、不覚にも返り討ちにされた」というのが学級裁判での結論でした。
しかし、その前提で考えた場合、入間の行動にも不自然な点が残ります。
- 王馬に発明品を引き渡している
- 事件時間帯に謎の空白がある
1、発明品の引き渡し
これについては、先も書いた通りです。
発明品は王馬が奪い取ったわけではなく、入間から王馬に受け渡された可能性が高いと考えています。
しかも、最原たちが5章になるまでその存在を知らなかったとすると、入間は最原たちに発明品のことを話していなかったことになります。
つまり、入間は、
王馬の方が、最原達より信頼できる
と考えていたのだと思います。
仮に、「最原たちの方が、王馬より信頼できる」と思っていた場合、そもそも王馬の依頼を受けませんし、仕方なしに依頼に応じていたとしても、それについて誰かに話している可能性が高いです。
依頼者の王馬以外の誰にも発明品のことを話さなかったのは、入間が最原達を信頼していなかったからではないでしょうか?
1~3章の事件があれば、人間不信にもなっちゃいますよね…
入間ちゃん、結構弱気なところありますし…。
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事件時間帯の不自然な空白
//23:02 夢野、白銀、百田、キーボ、最原がログイン。
//23:03 春川がログイン。
//23:04 王馬、獄原がログイン。
//23:06 入間がログイン。
//05:17 百田がログアウト
//06:55 キーボがログアウト//06:55 夢野がログアウト
//06:55 春川がログアウト
//06:56 獄原がログアウト
//06:56 白銀がログアウト
//06:58 最原がログアウト
//07:00 王馬がログアウト
「ダンガンロンパV3」より引用
入間の死亡時刻は「6時30分」です。
百田が強制ログアウトさせられたのが5時17分で、その直後に入間は王馬と待ち合わせてクロになるつもりだったのでしょう。
もし学級裁判で話し合った通り、獄原に返り討ちにされたのであれば、入間の死亡時刻は5時30分~6時頃になっているのが自然です。
しかし、百田の強制ログアウトから1時間以上後に入間が死亡しています。
この約1時間の間に、入間、王馬、獄原の3人の間に何かがあったのだと推測しています。
ちなみに、白銀は入間のアバターの異変が発覚する10分ほど前に、食堂から入間を目撃していますね。
この証言は、後に入間のアバターの特殊設定を裏付ける根拠になります。
入間の本来の計画では、この行動は全く必要ありません。
館の人間に目撃されるように行動したのは、王馬の指示だった可能性があります。
こうなると、「入間が計画に失敗し、不覚にも返り討ちにされた」というのは最原たちの誤認で、真相は
生きる気力を失った入間が、王馬の計画に乗る形で獄原に〇された
というものだったのではないでしょうか?
そういえば、ダンガンロンパシリーズの4章って、
被害者と加害者が合意して事件になっているケースが続いていますね
さくらちゃんしかり、田中&弐大しかり・・・。
今回も似たような展開だったのでは?と邪推してみます。
4章事件の裏側、その2
王馬は本来、4章の事件を利用する形でコロ〇アイゲームに終止符を打とうとしていたのではないかと考えています。
首謀者を特定するために、「クロ判決の間違いによる、シロの全滅」というルールを利用します。
王馬にとっての理想は、
- 首謀者特定
- 獄原への投票を回避する
→獄原生存 - 入間に票を集めて裁判終了
だったと考えています。
王馬の理想の展開その1
- 学級裁判でクロを誤認させる
(王馬に票を集めるように発言) - 「クロ以外全滅」というゲーム終了フラグを建てる
- 本当のクロ(獄原)を特定させるために不自然な発言をする人物をあぶりだす
- 入間の事件の真相を話し、「入間」に票を集める
- 獄原はクロ指定を回避し、首謀者の目星をつけて5章へ
この展開であれば、3つの目的をすべて達成できた後で5章に入ることができます。
首謀者にとっては大ピンチですね。
ちなみに④では、「動機」となった地球滅亡の記憶を皆に開示する予定だったかもしれません。
みんなショックを受けて、「入間が自主的に被害者になった」という主張が通りやすくなります。
王馬の理想の展開その2
- 学級裁判でクロを誤認させる
(王馬に票を集めるように発言) - 「クロ以外全滅」というゲーム終了フラグを建てる
- 本当のクロ(獄原)を特定させるために不自然な発言をする人物をあぶりだす
- 入間の事件の真相を話し、「入間」に票を集めようとする
- 努力むなしく獄原に票が集まり、本当のクロがオシオキを受けて5章へ
この場合、獄原はオシオキされてしまいますが、首謀者の目星をつけることができます。
3つの目標のうち、1つは達成できますね。
この2つのどちらかの展開になっていた場合、5章の流れは大きく変わっていたことでしょう。
モノクマとモノタロウの妨害
王馬たちが首謀者を特定しようとしていることを察したモノクマ(運営側)は、王馬達に不利になる行動や発言をしています。
モノタロウの捜査協力
捜査パートでは、モノタロウが最原の捜査に積極的に協力してくれます。
しかも、最原達では解析不可能なシステムの根幹に関する情報を提供してくれるので、とてもありがたいマスコットですね。
しかし、協力してくれた理由は「お母ちゃんのため」なのでしょうか?
本当の目的は、
最原にクロ特定のための推理材料を多く提供し、獄原に票を集めやすくする
というものだったのではないかと考えています。
モノタロウに自覚があったかは分かりませんが、モノタロウの行動は、運営側の王馬に対する妨害行為だと推測しています。
モノクマが提示した裁判ルール
王馬「複数のクロが同着1位になったら、どうなるの?」
「ダンガンロンパV3」より引用
モノクマ「まあ、どっちもクロに選ばれたってことだから、どっちか正解だったらオーケーにしてあげるよ。」
王馬「ありがとう!これで懸念事項が払拭されたし、心置きなくリアルな命がけゲームを楽しめるよ!」
このとき王馬が想定していたのは、「王馬・獄原がクロ指定される」もしくは「入間・獄原がクロ指定される」という展開だったのではないでしょうか?
モノクマの発言により、王馬は「少なくとも、首謀者特定まで獄原に絶対に疑いの目を向けさせない」という枷をはめられることになりました。
首謀者特定と獄原生存の両方を狙うには、かなり厳しい条件です。
しかもこの後、王馬にとって2つ目、3つ目の誤算が出てきてしまいます。
王馬の誤算
- 最原が強引な嘘をついて王馬のアリバイを崩してしまった
- 獄原が事件の記憶を失っていた
白銀は本来、最原の発言が嘘だと指摘しなければならないのですが、彼女自身が本当の「首謀者」であるため、最原の発言を疑いつつも支持する姿勢をみせます。
こうすることで、さりげなく「獄原のクロ発覚」へ議論を誘導しています。
そして獄原も、自身がクロで、王馬と共謀して首謀者の割り出しを行う目的があったことを忘れてしまっています。
王馬は獄原の言動の不自然さから、「獄原は首謀者側だったのではないか?」と考え、一時獄原を激しく糾弾します。
その後、最原の「獄原は事件に関する記憶を全て失っていた」という推理を聞き、自分たちの計画が全て崩れ去ってしまったことを察します。
そして、首謀者の目星をつけることができず、獄原のクロ指定を回避することもできず、4章は悲惨な終わり方をしてしまいました。
王馬は計画を練り直し、5章では「モノクマ」および運営側を標的とした計画を実行します。
王馬の3つの誤算
1、入間が生きる気力をなくしてしまった
2、最原が強引な手段でクロ特定に動いた
3、獄原の記憶喪失
第5章:モノクマによる誤判定の誘発
5章冒頭では、自身を「首謀者」だと騙り、本当の首謀者と運営側にプレッシャーを与えています。
その後王馬は、百田を連れ去りました。
百田は生き残りメンバーのリーダー的存在です。
彼を説得できれば首謀者特定に動くことができますし、百田を欠いた最原たちは統率がとれなくなり、一時的に行動が鈍ります。
しかし、実際には想定より早く首謀者が動き、百田を説得する前にコロ〇アイが起きてしまいました。
そこで王馬は、
モノクマの誤判定により「コロシ〇イゲームがゲームとして成立していない」と視聴者に印象付ける
計画を実行します。
ゲームの意味を無くし、コロシ〇イゲーム終了に持っていくのがこの計画の目的でした。
王馬と百田と最原
王馬は最原を首謀者の有力候補だと思っていました。
しかし一方、百田は最原を仲間だと信じます。
結果的に百田の主張が正しかったわけですが、5章までの間で王馬が首謀者特定のために奮闘した軌跡があったおかげで、最原は6章の裁判で推理を披露することができました。
- 弱気な最原を勇気づけ、前を向かせてくれる百田
- 6章裁判に臨む手掛かりを残してくれた王馬
この2人と赤松がいてくれたからこそ、6章での頼もしい最原を見ることができたと思っています。
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まとめ:王馬は、嘘つきでひねくれ屋な「純粋な子供」
- 嘘つきだが情に厚い
- ゲーム終了のため孤軍奮闘
- ピュアなところがある
王馬の言葉は、何が嘘で何が本当のことなのか分かりづらいですね。
彼については、発言よりも行動を見た方が分かりやすいのではないかと考えています。
あと、百田の言葉は結構信頼できそうですね。
4章の事件前でも、王馬の精神状態が良くないことをすぐに見抜いています。
「モノクマと同じ、臆病者」という発言も、痛いところをついていたのではないでしょうか?
ダンガンロンパV3については、考察すべき謎が多いと感じています。
今後も考察を書いていければと思います。
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ダンガンロンパチーム最新作推理アクションゲーム