荒川弘「黄泉のツガイ」第1話「アサとユル」の感想・レビュー・考察。
今回は「鋼の錬金術師」「銀の匙」などの名作マンガを描いた荒川弘さんの最新作、「黄泉のツガイ」の第1話の感想と考察を書いていきます。
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黄泉のツガイは、こんな人におすすめのマンガです。
「黄泉のツガイ」のあらすじ
山奥にある「東村」で暮らす少年・ユルは、猟師をしながら、つつましく暮らしていた。
一方、双子の妹・アサは「おつとめ」を果たすため、なぜか座敷牢の中で暮らす日々。
のどかで平和ながらも、どこか不自然さを抱えた「東村」。
この村の秘密とは…?
そして、東村に突然襲撃してきた謎の集団の正体とは…?
ユルとアサの「双子の兄妹」をめぐり、異形のモノたちを従える「ツガイ使い」達の物語がはじまります。
「黄泉のツガイ」の登場人物
ユル
主人公の17歳の少年。
東村で狩りをして暮らしており、アサ(座敷牢)のことをとても大切にしている。
ツガイの「左右様」の封印を解き、ツガイ使いとなった。
東村が襲撃された際は、デラさんに連れられ、下界に逃げ延びる。
左右様
東村に祭られていた「神様」、あるいは「対なるもの」。
ユルが封印を解いたことにより、約400年ぶりに人間の世界に姿を現す。
一本角で女性の姿の「左」と、二本角で男性の姿の「右」の二人組。
アサ(眼帯)
東村を襲撃した、ユルと同年代の女性。
右目に眼帯をしており、不思議な力で座敷牢や人間を粉々にした。
「兄様(ユル)を迎えに来た」と言うが…。
ガブちゃん
軍人っぽい人たちや、アサ(眼帯)とともに東村を襲撃した女の子。
歯が特徴的なツガイをつれている。
東村に住む大人には容赦のない行動をとる一方、子供には優しさをみせる。
アサ(座敷牢)
外に出ず、座敷牢の中で過ごす「お務め」を果たしている、ユルの双子の妹。
…だったのだが、「自分こそが本物の妹」というアサ(眼帯)に襲撃されてしまう。
第1話時点では、アサ(座敷牢)についても謎が残っています。
後ほど書いていきます。
デラさん
ユルの住まう東村に、たまに「下界」から行商に来る人。
…だったのだが、それはかりそめの姿。
村やユルの秘密について、色々知っている立場らしい。
東村が襲撃された際に、素人とは思えない行動力で、ユルを下界に連れ出す。
第1話感想と考察
第1話で気になった点について書いていきます。
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ユルとアサを取り巻く陰謀とは?
第1話時点では、「のどかで平和な東村に、突如悪人が襲撃してきた」という話の流れですが、気になる点もいくつかあります。
- 「下界」に出稼ぎに行った人が、ほとんど戻ってこない
- 「ヤマハおばあ」の隠し事とは?
- 東村で生き残った人は、今後の物語でどうかかわるのか?
「ヤマハおばあ」などの長老たちや、行商人の「デラさん」は、東村の秘密に関わる立場の人たちのようです。
他の村人に「下界」の様子を隠していたり、ユルが下界にいかないようにしていたりと、「完全に善人ではなさそうだな」と感じられる描写がありました。
世界観、ストーリーがテンポよく進みつつも、東村と襲撃者のどちらが「良い人」「悪い人」なのかハッキリしていないのが、話をおもしろくしていると思いました。
アサ(座敷牢)は何者か?今後出番はあるのか?
第1話で、「自分が本物のアサだ」と名乗る、「眼帯をつけたアサ」に襲撃されてしまった「座敷牢のアサ」。
一見すると生存が絶望的に見えますが、まだ今後の話に登場する可能性もあります。
第1話時点での、アサに関する謎は以下の通りです。
- アサ(座敷牢)がアサ(眼帯)に襲撃されたときに落とした日本人形
- アサ(座敷牢)にも、アサ(眼帯)にも、口元にホクロがある(偶然…?メイク…?)
東村襲撃前にユルとアサ(座敷牢)が会話していたシーンには、日本人形の他、こけしもありました。
ただのおもちゃの場合もありますが、何らかのキーアイテムである可能性もありますね。
アサ(座敷牢)もヤマハおばあと同じく、東村の秘密を知る立場にありそうですし、ただの代わり身というわけではなさそうです。
まだアサ(眼帯)が、ユルの双子の妹と確定したわけでもないので。
第2話以降も楽しみですね。