Googleアドセンスで「無効なトラフィック」が原因で広告配信が制限されたときの対策
アドセンス広告を利用していたところ、以下のメールが届き、広告配信が制限されてしまいました。
お客様
Googleアドセンスからのメールを引用
先日、お客様の AdSense アカウントで無効なトラフィックが検出されました。
Google ではこの事態を受け、お客様のアカウントでの広告配信を制限いたしました。
今後もお客様のサイトのトラフィックは継続的にモニタリングされ、配信制限は Google 側で自動的に見直しおよび更新されます。
広告配信の制限は通常30日前後となっていますが、アカウントによって制限日数は異なります。
2週間程度の場合もあれば、何の対策もされていないとそれ以上の日数を制限される可能性もあります。
広告配信が制限された後に何の対応策も取っていないと、最悪の場合アカウントの永久停止もあります。
アカウント停止された場合、停止された本人は2度とアドセンス収入を得ることができなくなります。
・停止されたアドレスとは異なるアドレスを使用して再申請しても、審査に受からない
・ブログだけでなく、YouTubeでのアドセンス収入も得られなくなる
といった大きなデメリットがあります。
このため、サイト運営者は、できるだけ早く原因を特定して対策を取っていく必要があります。
私の場合は、アカウント停止から回復まで20日ほどの日数がかかりました。
今回は実体験をもとにして、Googleアドセンスの広告配信が制限された原因とその対策について書いていきます。
はね
- ブログ運営4年目
- WordPress4サイト以上の運営経験
- Googleアドセンスとアフィリエイトで月4桁以上の収益
- SEO検定1級・2級
Googleアドセンス広告の配信が制限される原因
広告配信が制限される原因は人それぞれですが、以下の例が挙げられます。
- 「アドセンス狩り」にあった
(同一ユーザーによる複数回の広告クリック) - 自分で広告を複数回クリックしてしまった
- 記事を書いた後のページプレビューを頻繁に行った
(インプレッション広告の極度の増収) - Googleのポリシーに沿わない内容を配信していた
- リダイレクト設定している記事にアドセンス広告を貼りつけたままにしていた
①「アドセンス狩り」にあった
「アドセンス狩り」とは、単一のユーザーによって短時間の間に複数回広告がクリックされることを指します。
通常であれば、アドセンス広告がクリックされる確率はとても低く、さらに同一ユーザーが数時間以内に同じブログのアドセンス広告を複数回クリックする可能性はほぼありません。
つまり、同じユーザー(IPアドレス)から短時間で複数回アドセンス広告がクリックされると、
アドセンス側が不正を認識して広告配信を制限してしまいます。
このシステムを利用して悪意をもってクリックするユーザーや、Googleのシステムを知らずに「お祝儀」のつもりで何度かクリックしてしまうユーザーがいます。
こうした行為に対して、Googleアドセンス側では対策をほとんどとっていません。
そのため、サイト運営をしている側が自力で対策を取っていく必要があります。
「アドセンス狩り」の対策プラグイン
外部ユーザーの複数回クリックを防止するためには、WordPressではプラグインの活用が有効的です。
「Ad Invalid Click Protector」は、所定の時間内に同一のユーザーが所定の回数以上アドセンス広告をクリックした場合、そのユーザーを所定の時間ブロックする機能があります。
もちろん無料です!
また、面倒な設定はなく、プラグインを有効化するだけで効果を発揮します
②自分で複数回広告をクリックしてしまった
Googleのは、自分の収益を上げるために、自分のメディアサイト内の広告をわざとクリックする行為を禁止しています。
また、本人でなくとも、家族や友人に対して広告のクリックをお願いすることも固く禁止されています。
IPアドレス等も追跡しているので、
- 異なる端末からのアクセス
- 同一のWiFiを使用したアクセス
こうした「ごまかし」も通用しません。
収益欲しさにクリックしても、数日後に広告制限を受けやすくなります。
やらないようにしてね!
クリックしないことが対策になるため、記事を書いた後のプレビュー画面を開く際や、サイトのレイアウトを変える際などは注意しましょう。
Ad
③何度も同じページをリロードする
ブログを書いている人にありがちなのが、記事の公開前後でプレビュー画面を何度も開いてしまう事です。
実はGoogleでは、クリック型広告の他にも「インプレッション収益」も取り扱っています。
インプレッション収益は、ユーザーが画面を開いて広告を見ることで収入を得る仕組みです。
- アドセンス画面で表示されるインプレッション収益は目安
(実際に支払われる金額とは異なる場合がある) - 見積もり収益額÷広告表示回数×1,000=インプレッション収益(RPM)
同じユーザーがページを何度もリロードした場合、広告もその都度リロードされて読み込まれます。
同一ユーザーによるページの複数回のリロードがGoogle側に検知された場合、広告制限の対象となる可能性が高くなります。
この場合、サイト運営者が記事の見え方を確認するためにリロードすることが原因となっている場合が多いです。
記事の誤字脱字がないか確認しているだけなのに…
複数回リロードの対策
- 記事作成で広告を設置するのは「公開」直前に行う
- ページプレビューを行う際は「Braveブラウザ」を利用する
記事作成の際は、広告を設置するのは「公開」ボタンを押す直前にする習慣をつけましょう。
記事の作成途中で広告を挿入してしまうと、作成中に何度もプレビュー画面を開くことがペナルティの原因になってしまいます。
また次善の策として、記事の内容だけを確認したい場合は、「Braveブラウザ」などの広告が表示されないブラウザを使う対策もあります。
Braveブラウザを使ってページを見た場合は、広告が表示されません。
実際にユーザーが見ている画面とは異なる場合があります。
リライトする記事の場合は、最初はBraveブラウザで、リライト後の最終確認にChromeなどのブラウザを使って確認すると広告配信制限の事故防止になります。
④Googleのポリシーに沿わないコンテンツを作成していた
Googleアドセンス合格後も、Googleのポリシーに沿ったコンテンツ(記事)を作成する必要があります。
記事の内容に問題がなくても、「ブログ記事に水着を着た人の画像を使用していた」といった例があります。
画像が原因で広告配信を制限されることもあるので、注意が必要です。
サイト全体を見て、Googleのポリシーに違反していないかどうかを確認しましょう。
⑤リダイレクトを多用してしまう
ブログ記事が多くなってきたときに、2つ目のブログを立ち上げて、元サイトからある程度の記事を引っ越しさせることがあります。
この際に、元サイト記事にリダイレクトをかけて新しいサイトに移動させる手法があります。
リダイレクトをかけると、
記事を引っ越しした後も、ユーザーが目当ての記事にすぐにたどり着けるようになるね!
リダイレクトのメリットは、元記事のドメインパワー(Googleがサイトの質を評価する基準)を引き継いだ状態で新しいサイトをスタートさせることができます。
いわゆる、「強くてニューゲーム」です。
ただし、リダイレクト元のサイトにアドセンス広告を貼ったままの状態で放置しておくと、Googleからのペナルティの対象になる可能性があります。
リダイレクト記事が存在するサイトの対策
仮説
- 広告を貼っているにもかかわらず、その記事はユーザーからは見れないようにしている
(リダイレクト先の記事に飛んでしまうため) - そもそもリダイレクト自体がGoogleからはマイナス評価されやすい?
記事の引っ越しの際のリダイレクト自体は、ある程度確立されている手法です。
しかし、Googleの方針は頻繁に変更されるため、リダイレクトが多いサイトでは広告配信が制限される方針になった可能性もあります。
アドセンスプログラムポリシーの一部を抜粋します。
操作性に問題があるサイト
クリック数や視聴回数を獲得する目的でメニュー、ナビゲーション、ダウンロード リンクと誤認させるような形で広告を掲載するといった、不正な方法を使用することは禁止されています。現在の広告掲載が広告のプレースメントに関するポリシーに準拠しているかどうかを確認することは、各パブリッシャー様の責任となりますのでご注意ください。これには以下のようなコンテンツが含まれますが、これらに限定されるものではありません。
虚偽のダウンロード / ストリーミング配信コンテンツの提供を謳っている
アドセンスプログラムポリシーより引用
存在しないコンテンツにリンクしている
無関係なページや誤解を招くページにユーザーをリダイレクトしている
その他、ユーザーを欺くことを目的とした誘導
ナビゲーション用機能であると直感的に認識されるような配置で広告が表示されるページ
Googleの中の人ではないので原因を特定することはできませんが、対策として
リダイレクト元になった記事を消去する
という方法を取りました。
荒業ですが、原因を根本から取り除く作戦です
Ad
まとめ:ポリシーセンターを確認してヒントを得る
- Ad Invalid Click Protectorなどのアドセンス狩り防止プラグインを活用する
- 自分で広告をクリック・閲覧する行為はしない
- 記事作成する際は、広告設置を一番最後に行う
- リダイレクトの元記事からアドセンス広告を削除する
Googleアドセンス側からのヒントを確認するためには、アドセンス画面の「ポリシーセンター」を開きます。
しかしながら、具体的な対策についてはGoogleアドセンス側からのアドバイスはもらえません。
サイト運営者側が仮説を立てて、1つ1つ検証していく必要があります。
また、最近ではアドセンス広告に「動画広告」も含まれるようになったため、記事の確認の際についつい目が行ってしまうサイト運営者さんも多いと思います。
インプレッション広告の閲覧も、自分で広告をクリックするのと同様にペナルティ対象になる恐れがあります。
リライトの際などは十分注意しましょう。
どの対策が効果があったのかは、Googleにしかわかりません。
しかし、ここで紹介した対策をしつつ、記事の更新も行っていた筆者は、無事に広告配信の再開をすることができました!
「アカウント停止」措置を受けてしまった人は、この記事を参考にしてみてください。
このブログでは他にも、アドセンス広告の効果的な設置方法や、アドセンス以外の収益化方法についても解説しています。