「逃げ上手の若君」12巻のあらすじ・ネタバレ感想。足利尊氏のラスボス感が半端ない…

今回は、「魔人探偵脳嚙ネウロ」や「暗殺教室」の作者である、松井優征さんの新作マンガ「逃げ上手の若君」第12巻のあらすじと感想を書いていきます。
前回「逃げ上手の若君第11巻」のあらすじ・感想考察は、こちらです。

「逃げ上手の若君」12巻あらすじ
故郷・鎌倉で仲間たちと平和な一時を過ごす時行
前回11巻では、足利直義(尊氏の弟)を破り鎌倉入りを果たした北条時行。
待ち望んだ故郷の景色を目に焼き付け、諏訪頼重や逃若党の仲間たちと鎌倉を堪能します。
また、1巻で足利軍にやられてしまった人々に思いをはせ、民や臣下の良き主であろうとします。

臣下への挨拶のシーンは、時行の御曹司ぶりを改めて見せつけられましたね!
こんな平和が続けばいい…。
読んでいる最中、時行と同じ気持ちにさせられましたが、過酷な運命はこれで終わりではありません…。
足利尊氏という「鬼」
足利尊氏の軍と、民と臣下に推され、活気づいた北条の軍。
戦の流れは完全に北条側にあると思われました。
史実の尊氏も相当変わった人物だったようですが、この戦では尊氏の「意味の分からなさ」を見せつけられることになりました。
まさか
- 自〇
- 特に生命に異状なし
- 謎のカリスマ性を発揮
- 吹雪含めた一万の軍が尊氏に降伏
という、シナリオを無理やり捻じ曲げたかのような出来事が起こってしまうとは…。
さらに、ここまで時行を支えてくれた諏訪頼重にも不穏なフラグが立ち始めました。
衝撃的な展開の続きは、13巻に持ち越しです。
「逃げ上手の若君」12巻までの考察
逃げ上手の若君のストーリーにおいて重要な「神力(しんりき)」・「怨念」というワードが出てきました。
- 神力…「神の世」から「人の世」へ移り変わる際に、神から人へ「生命力」となって行き渡るもの
- 怨念…50年前の足利氏が、天下人を出すために自〇した折りに発生したもの
足利尊氏は人間離れしたカリスマ性を備えていますが、それには50年前の足利家時(いえとき)の自〇が絡んでいるようです。
- 50年前、足利家時が「三代後の子に天下を取らせよ」と願い、自〇した
- その時の怨念を宿した「子孫」が足利尊氏
- 足利尊氏が多くの人間に行き渡るはずの「神力(生命力)」を集中的に持つことになった
- 神力を独占しつつある尊氏は、神のごとき「求心力」と「強運」を備えるようになった
- このまま尊氏が神力を独占すると、人の世の発展が止まってしまう
ということが頼重から明かされることになりました。
すでに足利尊氏の神力は、諏訪頼重の神力を上回っているとのこと。
時行の最終ゴールが見えてきましたね。
主人公・北条時行の使命とは?
足利尊氏が独占している「神力」を、多くの人に行き渡らせること
これが「逃げ上手の若君」主人公・北条時行に課せられた最終目標だと考えられます。

必ずしも「足利尊氏を敵討ちする」が正解ではないのが肝ですね。
時行の特性は、以下の3つが挙げられます。
- 民と臣下を大切にする
- 自分も他者も「生き抜くこと」を大切にする
- 負けたら自〇が常識の戦乱の世において、無類の「逃げ上手」「生き上手」ぶりを発揮する
ここから時行の今後を予想してみると、
- 戦乱を渡り歩き、多くの民や武士の価値観を変えること
- 尊氏と直接対決を重ねながら、尊氏の超人的なカリスマ性を削ぎ落していくこと
この2つの要素を重ねていくことが勝機になるのではと考えています。
成長した「若」と「逃若党」は、今後どのような人物と会うことになるのでしょうか?
不穏な展開が続きますが、楽しみでもあります。
