冨岡義勇外伝の感想考察。胡蝶しのぶと共に任務にあたる短編漫画

今回は漫画「鬼滅の刃 外伝」の「冨岡義勇外伝」についての感想を書いていきます。
原作の「鬼滅の刃」は吾峠呼世晴先生の作品ですが、今回紹介する「冨岡義勇外伝」は平野稜二先生によるスピンオフ漫画です。
同じく公式スピンオフ漫画である「煉獄杏寿郎外伝」についての感想は、こちらの記事になります。

「鬼滅の刃 冨岡義勇外伝」とは?
「鬼滅の刃」本編1話で、主人公・竈門炭治郎と冨岡義勇が初めて会った後の話になります。
この外伝では、鬼殺隊の最高位の剣士である「水柱」冨岡義勇が主人公です。
指令を受けて、鬼が出たと思われる山里に向かう冨岡さん。
そこで彼は、「熊に父親と仲間を殺された」と言って一人で敵討ちに向かう少女・八重と出会います。
しかし、八重には何か隠し事があるようで…?
冨岡さんは休暇でたまたま居合わせた、同僚の「蟲柱」胡蝶しのぶさんと共に、任務にあたることになります。
冨岡義勇外伝の感想
水の呼吸としのぶさんの絵柄が魅力的!

まず絵柄が素敵で、
- 冨岡さんの水の呼吸を使うシーンがかっこいい!
- 胡蝶さんの可愛さと妖艶さが良い!
- 背景や小物から、大正時代の庶民の暮らしがリアルに伝わってくる!
という部分が目につきました。
鬼の描写も生々しさがある分、刀を振るっている絵も、美しさと重みが増してくるのが特に良かったと思います。
また、小物などの書き込みが緻密で、リアルな大正時代を感じられます。

大正時代には、まだ生きていないはずでは…?

しーっ!
言っちゃダメ!!
2週目以降に、背景を気にしながら読み進めると、キャラクターが実際にその時代を生きていたかのような気分にさせられます。
柱として任務にあたる冨岡さんの活躍が見れる!

鬼滅の刃本編は、主人公・竈門炭治郎の視点で物語が進みます。
そのため、
- 炭治郎以外のキャラクターがどんな行動をとっているか
- 他のキャラクターから見た炭治郎
といった描写については、あまり多くはありません。
(本編中でも、後半にかけては他のキャラクター中心の描写が増えていきましたが、序盤はほぼ炭治郎視点です)
「鬼滅の刃 冨岡義勇外伝」では、鬼殺隊・水柱としての冨岡さんの仕事ぶりと、物語序盤での炭治郎に対する心情が見れたのが良かったです。
胡蝶さんとの掛け合い漫才(?)も、じわじわと笑いがこみ上げてきます。
なお、冨岡さんが主人公のスピンオフは、ドラマCD「忘れじの一刀」もあります。
こちらは「冨岡義勇が竈門炭治郎に会う前」のお話になります。

煉獄杏寿郎外伝も併せて読みたい!

「鬼滅の刃 外伝」は、他にも「煉獄杏寿郎 外伝」があります。
こちらでは煉獄杏寿郎が主人公を務め、彼が「炎柱」の位につくまでの任務が描かれています。
後に「恋柱」となる甘露寺蜜璃さんも登場。
2人とも本編に比べてどこか初々しい部分が感じられ、こちらも読みごたえのあるお話になっています。
他の柱の描写も多いですが、こちらでは冨岡さんが全くしゃべりません。
(登場コマ数も少ないのに、逆に存在感が増してる…?気のせい…??)
まだ読んだことがない人は、ぜひ読んでみてください。
ネタバレありのオマケ:冨岡義勇と胡蝶しのぶの関係性についての考察
ここからは、「鬼滅の刃」本編と「鬼滅の刃 冨岡義勇外伝」を踏まえた考察をしていきたいと思います。
かなり突っ込んだ話もしているので、いわゆる「地雷」がある人は読まないことをオススメします。

「ネタバレOK!」という人は、
スクロールして続きをどうぞ!
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2人の関係性について、はじめて見た印象

まずは鬼滅の刃本編を1話から最終話まで、サラッと読んだ印象から書いていきます。
他の柱と距離をとりがちな水柱・冨岡義勇ですが、本編やファンブック2では、蟲柱・胡蝶しのぶとは比較的心の距離が近いように描写されています。

冨岡さんは「自分に話しかけてくれる人」に対しては好印象を持つ人だね。
胡蝶さんに対しても、好印象に入るコメントでした。

胡蝶さんは、冨岡さんによく「ツンツン」と指でつついたりしているね!
実際のところ、2人はどのくらい仲が良かったのでしょうか?
かなり議論の余地がある部分ですね。
というのも、冨岡さんは口数の多いキャラではなく、また、胡蝶さんも素直な感情を表に出さないキャラなので、2人の心情については、はっきりした考察がしづらいためです。
一見すると、「スキンシップを取っている胡蝶さんって、冨岡さんのことが好きなのかな…?」と思えますね。
自分もはじめ、そんな感想を持ちました。
しかしながら、最終巻まで読んだ後だと、あまりそうは思えなくなりました。
胡蝶さんにとって、ツンツンとつついたり、冨岡さんに良く話しかけに行ってるのは、単なる業務の合間の息抜き…みたいなものだったのではないかと推測しています。
以下にその根拠を書いていきます。
最終決戦での胡蝶さんの活躍

胡蝶さんの最期は、「長期間からだに毒をため込んだ自分を鬼に食わせて、カナヲ(と伊之助)に後を託す」というものでした。
このことから、
- 体に悪影響のある薬を、長期間摂取しつづける執念
- 最終決戦後に生き残るつもりがない戦い方
が読み取れます。
胡蝶しのぶの「敵を討つ・鬼を滅ぼす」という執念は、柱の中でも飛びぬけて高い方だったのではないでしょうか?
そう考えると、心の余裕があるようには思えませんよね…。
炭治郎に話を聞いてもらった131話後の冨岡さんの方が、まだ心の余裕があるように思えます。
なので、個人的には、
胡蝶さんは、冨岡さんのことが気になっている(胡蝶→冨岡)
よりは、
冨岡さんは、胡蝶さんのことが気になっている(冨岡→胡蝶)
の方が、まだ可能性があるのではないかと考えています。
まあ、本編では2人ともそんな余裕はなかったでしょうし、恐らく原作者の吾峠呼世晴さんも、この2人の関係性については意図的に曖昧にしているのではないかと考えています。
(鬼滅の刃は、CP(カップリング)関係について、はっきり描写されている作品なので、それぞれの読者で解釈が分かれる関係性は珍しいとも言えます。)
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まとめ:冨岡義勇と胡蝶しのぶの関係性は?

- お互いの印象は「比較的良い」
- 胡蝶しのぶの最終決戦での戦い方(生き残るつもりがない)
- 恋愛(婚姻)関係がしっかり描かれている「鬼滅の刃」において、はっきりした描写がない
FB2で、胡蝶さんは冨岡さんに「もっとしゃべった方がいい」と苦言を呈していますが、ある程度親しい仲だからこそ、こういった文句も言えるのではないかと思います。

冨岡さんも、胡蝶さんに締め技かけにいってるし…
しかし、上記のポイントを踏まえると、少なくとも鬼滅の刃本編では「仲のいい同僚」以上の関係には成りえなかったと考察しています。
(個人的には、CP関係も好きではあるのですが…本編の胡蝶さんを思い出して辛くなることもしばしば…)
最終話まで読んだ後に、胡蝶さんが初登場する28話や、那田蜘蛛山での愉快な(?)やりとりがある44話を見直してみると、2人の関係性についての印象がだいぶ変ります。
胡蝶しのぶ「人も鬼もみんな仲良くすればいいのに。冨岡さんもそう思いません?」
鬼滅の刃 28話「緊急の呼び出し」より引用
冨岡義勇「無理な話だ。鬼が人を喰らう限りは」
2人とも、言葉と実際の行動の差異がかなりありますね…。
鬼滅の刃の初期と後期で印象が変わるのは、他にも不死川実弥に関する描写があります。
このあたりの「キャラクターの見せ方」や「伏線」について、丁寧に描写されているのも、鬼滅の刃が人気作品となる一因になったのではないかと考えています。
長々と書きましたが、ここまで読んでくださりありがとうございました。
「煉獄杏寿郎外伝」についての感想も書いていますので、ぜひのぞいてみてください!

鬼滅の刃の考察が好きな人は、こちらの本もおすすめです。

鬼滅の刃の世界観を、よりリアルに感じられて面白いです!