「鬼滅の刃・遊郭編考察」宇髄天元と竈門兄妹、妓夫太郎の対比
今回は漫画「鬼滅の刃遊郭編」の考察をしていきます。
遊郭編のネタバレを含みますので、未読・未試聴の人は注意してください。
「鬼滅の刃」がどんな漫画・アニメか知りたい人は、こちらの作品紹介から読むことをおすすめします。
それではまず、遊郭編の中心人物になった音柱・宇随天元にスポットを当てていきます。
音柱・宇髄天元のプロフィール
忍び出身、面倒見の良い兄貴分
- 忍びの家系出身の派手好き青年
- 苦労を感じさせない明るさと面倒見の良さを見せる
- 柱の中でも特に集団戦闘の指揮が得意な人物
宇髄天元の実家は忍者の家系でした。
忍者家業の衰退や、後継者問題に悩まされていた天元の父親は、天元たち9人の兄弟を争わせることにします。
兄弟を手にかけたことをきっかけに、彼は家業から背を向けて、鬼殺隊士として鬼狩りの道を進むことになりました。
この生い立ちから、完全な一般人として過ごすことは無理だったということが推測できます。
苦難の道を選択した天元でしたが、表向きはそんな苦労を微塵も感じさせない「派手好き男(祭りの神)」として振舞います。
また、目下のものに対する面倒見も良く、炭治郎も彼の面倒見の良さに安心感を抱いていました。
遊郭前半で特に目につくのが、炭治郎たちに潜入任務を言い渡した後の的確な指示です。
善逸が行方不明になった後、残り2人に撤退を言い渡していたことからも、柱の中でも特に面倒見の良い人物なのだろうと考えられます。
遊郭編冒頭でアオイちゃんたちを巻き込もうとしていたのは、宇随さんが普段より冷静ではなかったからかもしれません。
何より大事な嫁さんが、3人とも行方不明になっていたら…。
堅実で冷静な判断力、多彩な戦術で才能不足を補う
- 忍び由来の多彩な戦術で敵を翻弄する
- 身体能力は柱の中でも上位に位置する
- 堅実で隙の無い戦闘スタイル
一見すると、火薬を用いた派手な戦闘スタイルが特徴のように見えますが、その裏では堅実で緻密な戦略を練っています。
彼は忍の訓練で培った諜報術を用いて、敵の情報を集めつつ、集団指揮をこなしながら敵を追い詰めていきます。
また、鬼と真っ向からの一騎打ちもできるほどの身体能力をもっており、毒耐性もあるため、敵からしたら攻めどころが見えないくらいに隙がありません。
遊郭編以前に彼が出会ったであろう、下弦以下の強さの鬼では、堕姫のように一瞬でやられてしまったのが容易に想像できます。
それと同時に、そんな宇髄に辛酸をなめさせた妓夫太郎は、
未知の強大さを持つ鬼だったことが分かりますね。
Ad
「宇髄天元」と「妓夫太郎・堕姫」の対比
ここからは宇髄天元と上弦の陸・妓夫太郎を比較していきます。
宇髄と妓夫太郎は、「生まれ育ちが恵まれなかった」という点で共通しています。
しかし、宇髄は自身の宿命と決別して、新たなる環境で自分の信念を貫くという生き方を選択する。
一方で妓夫太郎は、生まれ育ちに縛られ、何百年も遊郭の中でしか過ごせませんでした。
強大な力を手に入れたにもかかわらず、自らの生まれ育ちに囚われたまま生き続けてしまった彼らにとって、宇髄は眩しく、妬ましい存在でした。
上弦の鬼として強大な強さを持ちながらも、克己心(こっきしん)をもって自らの道を切り開いた宇髄に負けてしまったのは必然と言えます。
「竈門炭治郎・禰豆子」と「妓夫太郎・堕姫」の対比
今度は「竈門炭治郎・禰豆子」兄妹と、「妓夫太郎・堕姫」兄妹を比較してみます。
竈門兄妹と上弦の陸は近しい関係とされ、竈門兄妹のifが妓夫太郎と堕姫の姿とも本編で暗示されています。
戦闘中に、炭治郎が妓夫太郎に自身を重ねているシーンがありますね
炭治郎は鬼の被害を受けて人間に救済されたために、鬼殺隊士になりました。
対して妓夫太郎は、人間に迫害され、鬼に救済されたため、「何度生まれ変わっても鬼になる」という確固たる意志を持っていました。
「生まれ育ちに恵まれない」ながらも、自らの育った環境から独り立ちした宇髄によって負かされ、自身のifともとれる炭治郎によって「他者から与えられる温かみ」を知った妓夫太郎。
最後には突き放した妹・梅から兄妹の絆を思い出させてもらったことをきっかけに、鬼としてあり続ける執念から解放されていきました。
Ad
まとめ:2つのハッピーエンド
無限列車編と比較すると、遊郭編はハッピーエンドと呼べる要素が2つあることに気づきます。
- 鬼殺隊側の死者がいない
- 鬼を倒し、救済できた
遊郭編は鬼殺隊側の死者がでなかったことは勝利と呼べるが、「鬼を救済できた」という点においても鬼殺隊の勝利として数えても良いでしょう。
無限列車編で鬼殺隊側に死者を出し、鬼を救済できなかったという出来事からみれば、炭治郎・善逸・伊之助の成長が見て取れますね。
続く刀鍛冶の里編では、炭治郎自身の精神・技量の成長がより一層強調されます。
また、物語の終点に向けて、鬼殺隊の歴史を紐解く重要な伏線も貼られることになります。
刀鍛冶の里編は2023年4月からの放送が予定されているので、楽しみにしておきたいですね。
刀鍛冶の里編の考察記事もあるので、鬼滅の刃をすでに読み終えた人は、こちらも見てみてください。
鬼滅の刃まとめ記事リスト
- 鬼滅の刃感想・考察まとめ (他の登場人物の考察もまとめています)
- 鬼滅の刃遊郭編を考察!
- 刀鍛冶の里編の炭治郎を考察
- 煉獄杏寿郎と甘露寺蜜璃の考察
鬼滅の刃の考察が好きな人は、こちらの本もおすすめです。
鬼滅の刃の世界観を、よりリアルに感じられて面白いです!